2016年12月31日

愛知・名古屋のうどん・きしめん【序】

お店のリストは、次ページ以降に移動しました。悪しからず。

 名古屋にはうどん屋さんが多い。
平成10年度のタウンページ調べで人口10万人あたりの「うどん」で検索できる店舗数は平均値だけれど、人口が多い分、総数では「うどん県」の2.6倍(1,728軒)ある。うどん/きしめん専門店、うどん・そばの店、うどん・丼物の店など。さらに、これらのお店ではうどん、きしめん、味噌煮込み、カレーうどん、ころ、ざる、中華そば、日本そば、その他の献立も提供されており、一つのお店で何回も楽しめるのが特徴である。たとえガイドブックに味噌煮込みがおすすめと書いてあっても、カレーうどんが美味しいというようなことも多々ある。
 実際に食べ歩いてみると、街角に今まで知らなかったお店が見つかる、そんなことを繰り返して「行ってみたいお店リスト」がどんどん増えていくのも楽しいものです。

●名古屋うどん・きしめんの麺
・歯ごたえよりも、喉越しを重視する傾向にある。
 コシ(弾力と粘性)を追及しないため多くの麺は柔らかい。
 ノビや弾力(モチモチ感)を楽しめる店もある。
 喉越しを重視する店は、食べ慣れるとクセになる。
 カレーうどんやあんかけうどんに再加熱された麺が合わさると、
 ノビノビになった麺を持ち上げるのに一苦労することもある。
・かけ系は細麺や平麺が、味噌煮込みは太麺が多い。
 (味噌煮込みでも、提供時間の短縮のためか、細麺・平麺が増えている)
・味噌煮込みうどんの麺は塩を使わずに打つ。
 塩を入れて打った麺を茹でた後に、しれっと味噌煮込みに仕立てる店もある。
・実は、醤油煮込みうどんもある。
・讃岐に比べれば生地に添加する塩分が多く、固くて伸びにくい。
 これは、ごく薄くきしめんに延ばした際に千切れるのを防ぐためである。
 そのため、力を入れて伸ばしやすい細い麺棒が使われる。
・また、店によっては切った後、麺棒にかけて(風に当て)干すことがある。
 その際に麺が伸びてしまうのを防ぐための固い生地でもある。
・日本農林規格(JAS)によると、『乾めん類品質表示基準』で、
 きしめんの乾麺は幅4.5mm厚さ2mm未満の帯状のものと規定されている。
 名古屋きしめんと表示する場合は幅5〜7.5mm厚さ1.5mm未満となっている。
 これは工場などで製造される乾麺のきしめんであり、
 乾麺で幅2cm程度の幅広きしめんも販売されている。
 しかし、店できしめんを食べると、幅5mmから4cmくらいまで
 さまざまあり、うどんより平たいとしか言いようがない。
 ところが、うどんと言うメニューでも、平たい麵のことがある。
 つまりは、店がきしめんと言えばきしめん、うどんと言えばうどんなのである。
・生の冷麦(手打ち)を食べられる店がある。
・うどん、煮込み、きしめん、そば、中華そばを揃える店が多い。

●名古屋のうどん・きしめん出汁
・出汁
 関東は鰹節、関西は昆布、讃岐は煮干し(いりこ)の出汁と
 言われるが、名古屋・愛知は室鯵、鯖節、宗田鰹が使われる。
 香りよりも味重視の出汁。
・白だし(白つゆ)
 色が薄く、関西風の出汁に似ているが、
 宗田鰹、鯖、室鯵等の節系の出汁を白醤油で仕上げた出汁。
 香りよりも味重視。最初は塩辛さを感じるが、食べ進むと
 ちょうどよくなる。甘味を感じると言われることもある。
 志の田、玉子とじ、天ぷら等、タネ物に用いられる。
 食べ進むと香りも味も弱く感じられるように思う。
・赤だし(赤つゆ)
 宗田鰹、鯖、室鯵等の節系の出汁を、たまり醤油で仕上げた出汁。
 一般的なきしめんのだしで、見た目は真っ黒。
 しかし、色から想像されるほどには塩辛くなく、節系の味と
 たまり醤油の香りを楽しめる。
・ころ(香露)
 冷たいうどんに出汁をかけたもの。
 「冷たい」、「冷ました」つゆの、(ぶっ)かけうどんメニュー。
 ころうどん、ころきし、きしころ等と呼ばれる。
・味噌煮込み
 加熱しても香りが飛びにくい八丁味噌を煮立て、生麺を煮込む。
 味付きの出汁で煮るため、麺は塩を使わずに打たれる。
 一部の店では半煮え(アルデンテ状態)で提供することもある。
 大正頃に庶民の食べ物として定着。
 材料を厳選したり、ご飯や漬物が食べ放題のお店は高級料理並みに高価。
 カレーで麺を煮込んだカレー煮込みを置くお店もある。
・味噌
 味噌汁程度の濃さの出汁に麺が入ったメニュー。
・カレー
 片栗粉ではなく、小麦粉でとろみをつける。
 色は黄色く、意外とスパイシーである。
 派生種として、とろろ飯の上にカレーうどんが盛られた豊橋カレーうどんがある。
・冷麦
 夏には手打ちの冷麦を提供するお店がいくつもある。
 また、手延べ冷麦(乾麺)を提供する店もある。
・湯つき
 讃岐で言う湯だめ。
・あんかけ
 赤つゆに片栗粉でとろみをつけてある。

●きしめんの具材
・きしめんの定番の具材は、油揚げ、名古屋蒲鉾、青菜、花鰹である。
 普通の店で「きしめん」と頼めば、上の具材が載ってくる。
・「うどんきし」
 普通の店で「うどん」と頼めば、一般に素うどん(かけうどん)が出てくる。
 そこで、「うど(ん)きし」と言うメニューが存在し、
 きしめんの定番の具材がうどんに載って出てくる。
・油揚げは、きつねの油揚げよりは小ぶりで、甘さ控えめの味付けが多い。
・名古屋蒲鉾は、表面が朱色の蒲鉾である。
 表面がピンクだったり(小田原系?)、焼き蒲鉾だったり、
 お店によって異なるが、こだわりが垣間見える。
・青菜は、ほうれん草が基本だが、小松菜、正月菜のこともある。
 うっすらと味がついるのが定番。
・花鰹は、出汁の香りの薄さを誤魔化している気がするが、
 名古屋の出汁は味を重視して、足りない香りを後付けしていると
 理解している。
・花鰹は、具材が見えないようにかけられる。
 きしめんの定番の具材を麺の上に適切に配置すれば見栄えもするが、
 ケ(日常)の食事に華やかさを出してはいけないという
 名古屋らしさが損をさせている。
・「にかけうどん」
 名古屋(尾張地方)よりも西部、三河地方では、かまぼこ、油揚げ、
 ほうれん草、花かつお、きざみネギなど(決まりはないみたい)が
 載ったうどんを「にかけうどん」と呼ぶ。

 ところで、愛知県めんるい組合が名古屋城の脇に出店しているお店では
 青菜のかわりにワカメが使われている。せっかく名古屋のきしめんを
 アピールする場なのに、寂しい限りである。


posted by zuno at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 食べ物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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